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金沢八景駅から野島夕照橋に向かう道路に、八景の名勝がマンホールに綴られており、しばし足を止めて見入る

称 名 晩 鐘
(しょうみょうのばんしょう）



はるけしな山の
名におふかね沢の
　霧よりもるゝ入あひの声






野 島 夕 照
（のじまのせきしょう）


夕日さす野島の浦にほす網の
　めならぶ里のあまの家々








小 泉 夜 雨
　（こ ず み の や う）


かぢまくらとまもる雨も袖かけて
　涙ふる江のむかしをぞ思ふ








洲 崎 晴 嵐
（すさきのせいらん）

賑へる洲崎の里の朝けぶり
　晴るる嵐にたてる市人








乙 艫 帰 帆
(おつとものきほん）


沖津舟ほのかに見しもとる梶の
　乙艫の浦 にかへる夕なみ






瀬 戸 秋 月 　
（せとのしゅうげつ）
　　
よるなみの
瀬戸の秋月小夜ふけて
　千里のおきにすめる月かげ





平 潟 落 雁
(ひらかたのらくがん)



跡とむる真砂に文字の数そへて
　塩の干潟に落つるかりがね







内 川 暮 雪
（うちかわのぼせつ）


木陰なく松にむもれて暮るるとも
　いざしら雪のみなと江のそら